出生前診断で行われる胎児ドックとは？

出生前診断のひとつとして胎児ドックが行われています。胎児ドックとはどのようなものなのでしょうか。

1990年代にイギリスで妊娠初期に胎児のくびの後ろの「むくみ（NT）」が増加している胎児にダウン症を初めとする染色体異常が増加していたことが示されました。この研究をきっかけに現在イギリスを含む欧米の先進国においては妊娠初期に超音波検査スクリーニングを行う国が増加しています。

出典：西川医院 | 大阪市阿倍野区の産婦人科・内科：胎児ドック

妊娠12～13数の間に行う超音波検査（胎児の計測、むくみの測定など）を胎児ドックといいます。血液マーカー検査よりも早いタイミングで受けられる点が魅力です。何かしらの疑いが見つかった場合は、絨毛検査・羊水検査で病気の有無がわかります。

出生前診断で何がわかる？

出生前診断でどのような可能性がわかるのでしょうか。出生前診断で分かることを解説します。

ダウン症

通常2本の21番染色体が3本と1本多くある染色体異常がダウン症です。21番目の染色体が多いため「21トリソミー」とも呼ばれます。心疾患などを伴う場合も多く見られる病気です。出生確率の目安を挙げると、母体年齢が35歳の場合は推定1/249の確率でダウン症の子が生まれると言われ、年齢があがると共に可能性が高くなります。

出典：出生前診断のこころえそれは真剣に赤ちゃんを想う夫婦の証：出生前診断とは？胎児診断専門施設の医師とやさしく学ぶ【経験者の声あり】

出生前診断でわかることのひとつがダウン症の可能性です。600～700人に1人の割合で生まれると考えられています。発達はゆっくりですが、早期から療育を受けることで能力は向上します。健常者と同様の社会生活を送っている方も少なくありません。

18トリソミー

18 番の染色体が 3 本あることに伴う症候群をいいます。18 トリソミーをもつ赤ちゃんは 4000～10000 人に 1 人生まれます。
18 トリソミーをもつ赤ちゃんは多くの疾患を合併していることが多いため、胎内で亡くなることが多く、出生後も生命予後が不良であることが多いです。

出典：兵庫医療大学：出生前診断についてキチンと知っていますか？～検査を受ける前に理解を深めるサポートブック～

出生前診断では18トリソミーの可能性も調べられます。予後不良であることが多いですが、実際の症状はさまざまなので自宅で療養できるケースもあります。主治医の説明をしっかりと聞くことが重要です。

13トリソミー

13トリソミーとは、全身各所に異常を伴う染色体疾患であり、「パトウ症候群」と呼ばれることもあります。出生児の5,000～12,000人に1人にみられるとされています。

13トリソミーでは、頭や眼球が小さいなど外見上の異常や、呼吸や循環器に関する異常など、さまざまな症状が現れます。

根本的な治療方法は確立されていないため、症状などに合わせた治療が検討されます。

出典：メディカルノート：13トリソミーについて

生まれつき頭や目が小さいなどの症状を伴います。また、多くの場合、先天性の心疾患も伴うとされています。無事に生まれても予後は不良であることが多いようです。平均寿命は3～4カ月といわれています。

赤ちゃんの病気を早く見つけたい方は出生前診断を検討

出生前診断を受けることで、赤ちゃんの病気を早く見つけられる可能性があります。高齢で妊娠した方や、過去の妊娠で赤ちゃんに病気が見つかった方などは検討するとよいかもしれません。出生前診断を受ける方は、主治医からメリットやデメリットなどの説明を受けておきましょう。

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